シルバーブレット
しかし仕事、つまり事件は次から次へと起き感傷に浸ってはいられなかった。


煌に仕事がある、ということは隼弥にもあるわけで。


煌が忙しい、ということは隼弥も何かしら忙しいわけで。


毎日毎日、お昼や夜に食事に誘ってくる隼弥は、つまるところ仕事をしていないわけで。



「うるせぇ!痴話喧嘩なら外でやれ!」



一課の前で繰り広げられる押し問答に、志麻が痺れを切らす。



「痴話喧嘩じゃないですよ~。愛のラブコールですよ。」



あの事件の後、再度隼弥に好きだと告げられ、ゆっくりでいいから返事が欲しい。と煌は言われた。


捜査をしていった中で、隼弥の思いを知り最初の時より自分の気持ちが明確になっていることは煌は分かっていた。

だから、母親のように素直になってみることにしたのだ。


自分も好きだ、付き合ってくれと。
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