シルバーブレット
ところ変わって、ここは都内の小さな墓地。

お墓の前には1つの影。



「よっ。オヤジ、夏渚、来たぜ。」



墓参り道具を持った秋だ。

納骨には、皆が来てくれて秋は喪主らしく振る舞って忙しかった。

だから、ゆっくり話そうと1人で来たのだ。


まぁ、聞かれていては照れくさいという理由もあって、ちょっと出てくると言って行き先は誤魔化した。



「事件、無事に解決したぜ。煌がすっげー頑張ってくれた。怪我も大したことなくて、まじでホッとしたよ。」



緒方との話が終わったその足で、煌と春貴は検査の為に病院へ赴いた。


煌は、打撲や切り傷が多かったが脳に異常は見られず経過観察で問題ないとの事だった。


春貴も全く問題なく大丈夫だった。



「今日も春貴は元気に学校行ってるぜ。」



朝食も、もりもり食べる育ち盛り真っ最中だ。



「だけどよ、1人でヤクザの家に乗り込むなんて無茶してさぁ。煌が傷付くと思ったにしても、早まり過ぎだっつーの。」



煌が納得いっていなかった、扇崎が単身癒鼬組に行った理由。


それは、白雪で蘇芽が話していたのは組の裏事情だけではなかったからだ。
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