シルバーブレット
緒方と烏田切が煌について、話合っているのを蘇芽はたまたま耳にした。
ただ、聞き違えていたらしく《頭には息子が1人いて、しかも伝説の不良といわれてる。》と言っていて、本人もそう思い込んでいたと、取り調べた煌から聞いた。
しかし、それを聞いた扇崎は、息子ではなく娘、つまり煌のことだとすぐに分かった。
だが、未婚の母で通してきたのに今さら父親が生きていて、まさか癒鼬組の組長などと言える訳が無かった。
警察官である上に、正統派の不良であった煌が暴力団に良いイメージなど持っている筈がない。
大好きな母親がそんな男と、しかも自分と血の繋がった実の親子だと知ったら………
と思い悩み、扇崎は言えなかったのだ。
意を決して事件前日に呼び出したものの、結局言えずに終わってしまった。
「現役から変わらず不器用なのはいいけどさ。それで、死んだら世話ねーぜ。」
生前の頑固親父的なこの上なく不器用な姿を思い出して、秋は一人苦笑い。
ただ、聞き違えていたらしく《頭には息子が1人いて、しかも伝説の不良といわれてる。》と言っていて、本人もそう思い込んでいたと、取り調べた煌から聞いた。
しかし、それを聞いた扇崎は、息子ではなく娘、つまり煌のことだとすぐに分かった。
だが、未婚の母で通してきたのに今さら父親が生きていて、まさか癒鼬組の組長などと言える訳が無かった。
警察官である上に、正統派の不良であった煌が暴力団に良いイメージなど持っている筈がない。
大好きな母親がそんな男と、しかも自分と血の繋がった実の親子だと知ったら………
と思い悩み、扇崎は言えなかったのだ。
意を決して事件前日に呼び出したものの、結局言えずに終わってしまった。
「現役から変わらず不器用なのはいいけどさ。それで、死んだら世話ねーぜ。」
生前の頑固親父的なこの上なく不器用な姿を思い出して、秋は一人苦笑い。