シルバーブレット
「そう、だな……。」



一人で生きてきた。

力が全てだった。

秋に挑んだのは、一番になりたかったから。

煌に惹かれたのも強さからだ。


いつまでたっても自分を見てくれないばかりか、目線はいつも違うやつ。


自覚した想いを、自分なりに精一杯伝えていたにも関わらず実ることはなかった。



だけど、自覚したのは恋だけではない。


目の前にいる、ピンチの時には駆けつけてくれる人に気付くことが出来た。



「メシ食いにいくか?」


「「はい!」」



完全に吹っ切れてはいない。

しかし、これ以上落ち込んでても仕方がない。


とりあえず、腹の虫でも止めに行くか、と珍しく自分から誘う桐也。



「今日は俺の奢りだ。」


「まじっスか!」

「やった~!!」



はしゃぎながら根城を出て行く3人。



――――行こうか。自分の変化に気付いて気にしてくれる人達とどこまでも。
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