シルバーブレット
「昼飯行くか?」


「えっ?!いいの?」



断り続けていた煌からの誘いに隼弥は驚く。



「いいのって…。お前が言ったんだろ?」


「そりゃそうだけど。」


「その代わり夜は無理になった。親父と会うことになったから。」


「へ?ああ……!電話の相手、緒方さん?」


「そうだけど。それがどうかしたか?」



電話の相手が緒方だと分かり、良かったと思ったその感情が態度に出ていたらしく、煌は不思議な表情だ。



「いや!なんでも!行こ行こ!」


「あ、ああ…。じゃ先輩、昼飯行って来るっス。」



隼弥に背中を押されて促されたので、煌は不思議な顔を浮かべたまま出掛けていった。



「丸く収まりましたね。」


「だがな。毎日毎日あれじゃ、こっちの身がもたん。」


「それは…。確かに、困りますけどね。」



アプローチがエスカレートする隼弥とそれに気付かない煌。


付き合っても変わらない関係性に、周りが疲れてしまうのは仕方がないのか。


本人達に直す気がないので、殊更大変だ。


因みに、主に負担を強いられるのは志麻だ。

面倒見が良く、立場上ほったらかしには出来ないので特にである。
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