シルバーブレット
「寝ちゃったっスね。」




泣き疲れ眠ってしまった春貴は、作業場に置かれた長椅子の上に寝かされている。





「煌、お前何で春貴に言った?こっちにも心の準備っていうもんがなぁ…」



「それは兄貴の都合だろ?親の隠し事っていうのは子供にとっちゃぁ気になるからな。隠さない方がいいだろ。」



「まぁ、そりゃぁそうなんだけどよ…。それにしてもお前が珍しいな。」


「何が?」


「泣きたかったら泣け、とか。お前我慢するタイプなのに。夏渚の時もそうだったし。なんかあったのかと思ってな。」



「べ、別になんもねぇよ。」




と言いつつも隼弥の言動が影響しているのは間違いない、と煌は自覚している。


春貴の様子を見てまるで先程の自分の様だと思い出したのだ。

だから、隼弥が自分にしてくれた様に春貴にもしてあげようと思えたのだ。

悲しみは無くならないが、隼弥のおかげで少し気持ちが楽になったのだから。


吹っ掛けられた喧嘩を買い、乱闘して傷付けるだけだった自分が、まさかこんなにも人に優しく出来るとはな、と感慨深く思っていると……
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