シルバーブレット
「猿組にガサが入ったことは向こうも承知の上だ。証拠がねぇとトカゲの尻尾切りになっちまうから慎重にいかねぇとな。」


「そうですね。ところで、扇崎さんに見つかった人今どこにいるの?」



情報提供者の所在が気になり尋ねる。



「兄貴達と一緒だ。今から所轄に出頭すると。おやっさんも自首させようと説得してたみたいだし、情報提供者とはいえ法律に違反してんじゃぁ見過ごす訳にはいかねぇらな。」


「せめて自首扱いになればいいけど。」



「所轄次第だが、事情が事情だ、上手くやってくれんだろ。」

「だな。」



言い合いが終わったのか、志麻と隼弥も話に参加する。



「とにかく明日、蘇芽に聴取してみるか。」


「はい。烏田切よりは何か話してくれそうですしね。」



「そう言って締め上げるんじゃないですか~?志麻さんそういうの得意じゃないですか。」


「よーし。お前のその曲がりきった根性も真っ直ぐにしてやろう。」


「「…………。」」



志麻と隼弥がそう言いながら睨み合う。

しかし、なだめるのも突っ込むのも面倒になったのか、煌と瀬羅は無言で呆れた目を向けるだけだった。
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