シルバーブレット
「捜索した場所はこれでよし。こっからどう広げていくかだな。」



地図に捜索済みの印として斜線を引く。


次は、思い当たる場所以外の捜索だ。

ただ、人海戦術とはいっても人数は限られている。


闇雲に捜索する訳にはいかない。



地図に引いた斜線にはまだ隙間がある。



「とりあえず間埋めて行くっスか?」


「そう…だな…。」



志麻は地図とにらめっこ状態だ。



「まだ癒鼬組には要求の電話とかきてないんスよね?」


「ああ、まだ音沙汰ねぇな。」



誘拐などなら何かしら要求があるはずなのだが…、それもない。



「報復か、もしかしたら自分からいなくなったってことっスかね?」


「可能性もなくはないな。だが、置き手紙すら無しに出ていったとなると探されると予想できるもんだがなぁ。」



疑問が疑問を呼ぶ。



ピリリリリ――――……


地図を見ながら思案していると煌の携帯が鳴る。

着信は紅葉からだった。
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