シルバーブレット
「どうかしたか?」


『姐…ん、たい……なん…よ!』



また情報提供者を見つけたのかと思いつつ出るが、何か様子が違う。

だいぶ焦っているようで聞き取りにくい。



「落ち着け。ゆっくり話せ。どうした?」



深呼吸でもしたのか、それとも煌の声に安心したのか、幾分か落ち着きを取り戻したらしい紅葉の声が聞こえてきた。



『それが春貴が行方不明なんスよ!!』



「春貴がか?!一体いつからだ?」


『今朝家から出たのは近所の人が見てたっス。だけど学校には来てないって電話がきたんスよ。家を出てからがまったく。』


「んで俺に言わない!?春貴が黙っていなくなるなんてねぇだろうが!!」


『すんません。秋さんが言うなって……』


「ちっ、兄貴のやつ。変な気使いやがって。」



心配かけたくない、というよくあるパターンだ。
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