シルバーブレット
「!!春貴!!!」



煌が人形だと思っていた人影は、春貴だった。



「春貴!おい、春貴!目を開けろ!」



触れた体はコンクリートの上にいたせいか少し冷えてはいるが温かく、見たところ外傷もないようだ。



「春貴!!」


「…ぅ……ぅん………」


「春貴!」


「煌姉ちゃん……??」


「良かった、気が付いたか。」



目を開けた春貴に煌はホッとする。



「煌姉ちゃん、どうして……」


「話は後でゆっくりな。とりあえずここから出るぞ。」


「…ぅ、うん。」



まだ意識のはっきりしない春貴を抱き起こし立たせる。



「……!!煌姉ちゃん、うしろ!!」


「!?」



煌は春貴の声に、反射的に振り向いてしまった。



ガンッ



「ぃっっ…………――――」



煌の頭に降り下ろされたのは、入口付近にあった木の角材。


春貴に気を取られて、近付いてきた人の気配に煌は気付くことが出来なかった。
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