シルバーブレット
「ええ。白雪で色々ノブが口走ったみたいで、組にまで来られたんで大変でしたよ。そのせいでノブが早まったことをしたんですがね。」



核心に迫っても、烏田切の表情は変わらなかった。



整理すると、事件の真相はこうだ。



白雪で覚醒剤が横行していることを不良から知った扇崎が、白雪で張り込むこと数日。

癒鼬組と猿組との癒着・癒鼬組が裏で糸を引いていると、蘇芽が酔った勢いで自慢気にバーテンと話していた。


それを聞いた扇崎は、真相を確かめに単身癒鼬組に出向く。


烏田切が否定したのを盗み聞いてはいたが、扇崎が納得していないのは見てとれた。


それから日に日に自分が捕まるのではないかと恐れるあまり焦った蘇芽が、常時護身用で持っているナイフで扇崎を刺して殺してしまった。


刺してから事の重大さに気付いた蘇芽は、すぐさま烏田切に助けを求めたのだ。



「処理も偽装も完璧に出来ました。だからもう私の邪魔はしない、私の言うことだけ聞いていなさい、とあれほど言いましたよね?」


「ぐぁ………ずみまぜ……」



蘇芽の体を蹴りあげ仰向けにすると、烏田切は撃った場所を踏みつける。
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