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 ・・・あれ?痛くない。
 落ちる瞬間私は目をつぶった。
 その目をパチッと開けるとそこにいたのは・・・。
 
 サラサラな髪の毛にパッチリな目。
 スラッとした鼻。
 まつ毛なが~い・・・。

 「大丈夫?」
 「あっ。だ・・・大丈夫です!」

 この状況を整理してみた。
 私・・・抱きしめられてる!!?

 「怪我ない?」
 「はいっ!!」
 「なら、良かった」

 彼は、私を立ち上がらせてくれた。
 
 「・・・あの、ありがとうございました」
 「俺は別に何もしてないよ」

 「陽菜~?平気?」
 「えっ・・・」
 「悲鳴が聞こえたからさ」
 「うん。男の子が助けてくれたの」
 「あ~・・・」
 「?」
 「それだよ~。驚くことって!」
 「あっ、なるほど・・・」
 「転校生のこと!!」
 「えっ・・・転校生!!?」

 詳しい話を聞くと、彼は元木日向(ひなた)君と言って、私が欠席をしている間に転校してきたらしい。

 私たちは2組だけど、彼は3組。

 隣のクラスなのに全然気づかなかったなあ・・・。

 「思ったんだけどさ、日向君助けてくれたんでしょ!?」
 「えっ??あ、うん・・・・」
 「ついにヒーロー誕生じゃない?」
 「えっ!!?」
 「とにかく!!明日ちゃんとお礼しなよ~」
 「うん・・・」

 ヒーローかあ・・・。日向君が、もしかしたら私のヒーローなのかも。

 って、何自惚れてるの、私!!
 ないない!!

 だって・・・かっこよかった・・・。
 きっと人気者に決まってる。
 直樹君と1位、2位を争う事になるよ~(汗)

 私は、少し願いつつもあまり思い込まないことにして、残りの休み時間を由香とたっぷり過ごした。






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