最強と恋愛。
第7話「体験。」
どこに行く気なのか引っ張られるままだった。
「あの、どこ行くんですか?離してください。」
すると男は立ち止まり振り向いた。
「俺らといい事しようぜ。なぁ。」
そういって男は最村に近づいてきた。
「そんなにおびえないでよ。困るだろ?」
男は最村を抱きしめ耳元で囁いた。
その言葉に最村は体を震わせた。
怖い。
その一言が最村の頭を巡っていった。
「!やぁ!離して!」
振り払おうとしても男は離れず、力が強まるばかりだった。
引き離せない。
ここじゃ得意の背負い投げもできやしない。
それどころか恐怖で体が動かない。
なすすべがない。
誰か、誰か助けて・・・
その時だった。