二番目の女。


「すごい気持ちよさそうに寝てたよ」


『あんま寝てないからね』


「ふーん、」



ほら、こうやって興味なさそうにする所、彼にソックリ





「まあ連絡先教えてよ」

ん、と目の前に携帯を差し出す彼に

渋々と携帯を開き目の前に出した




颯太の連絡先が私の携帯に入る





「さんきゅ」


ニカッと笑う彼に笑い返す


あ、颯太八重歯あるんだ






「まあこれでいつも連絡とれるね」


『ん?…うん』



実際この先連絡なんてとるのだろうか



きっと彼の携帯にはたくさんの女の連絡先





私と一度する関係で終わってしまうのではないか――…

なんて、考えてしまう



「でさ――…」


『ん』



「その涙の訳聞かせて」


『ッ』




どうして、言わなくてはならないのだろう



「振られたとか?昨日いた彼氏に」

『…彼氏じゃ、ないです』



「え?」

ポカーンとする颯太に溜息をはく



「だって、あんとき、俺のだからって言ってたよね」


『…』





そうだ、昨日ラブホテルの前で武は私の腕をつかみ

"――俺のだから"

そう、言ったんだ





「なんだよ、付き合ってねえのかよ…」

ハァ、なんて溜息をはく颯太にまた私も溜息をはいた




『あ、私ね、ラブホテルとか初めてだったし…行かなくて良かったって思ってるよ』


昨日はムシャクシャしてたんだ、なんて笑ったら


突然




『ッ』


腕を、つかまれた




「俺も昨日」


『うん』


「お前としなくて良かった」


『…え?』



それは、どうゆう意味?





「俺さ、前からお前の事知ってたんだよね」


『え、』


知ってた?




「いつも学校通りのゲーセンの前通ってるだろ?」


『うん』


「俺良くそこにいて



お前の事見てたんだよね」


『え、』


一瞬、全身の毛穴から汗が、出た気がした



「あ!ストーカー的な感じじゃなくて」


『あ、うん』


なんだ…




「去年の秋ごろ、お前をゲーセンで見たんだよね」


『去年の秋…』



丁度、彩海目的で近付いてきた彼氏がいた気がする




その後すぐ別れちゃったけどね



「男と二人で歩いてたんだ」


『ああ…』


やっぱり




「お前の顔見るとそんなに幸せそうじゃなくて」

『…』



「気になってしょうがなかった」



『ッ』




幸せそうじゃ、なかったのかな


確かに幸せではなかった



彩海目的で近付いていた事がわかり、すぐ別れて

その時ゲーセンで撮ったプリクラも粉々に切って捨てていた




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