二番目の女。
「そしたら今日、胡桃が俺の前に現れたってこと。一人だったし、昨日ラブホ行ってる所で会っちゃったから喧嘩でもしたのかと思って」
『…、』
「でも、彼氏じゃなかったんだ」
良かったーなんて笑う颯太に、
少し
…この人なら私を愛してくれるんじゃないか
なんて、思ってしまう
「じゃあさ、」
『ん』
「胡桃の好きなのって、誰?」
『ッ』
その、まっすぐな瞳に
「俺なら、お前を泣かせないのに」
黙っているることは、できなかった
『あのね』
「うん」
『私が好きになったのは、
私が…好きになっちゃいけない人なの』
「え?」
意味がわからないようで眉をひそめてくる颯太に私も眉をひそめる
『絶対に、好きになっちゃいけない人』
「それって…先生とか?」
そんな風に言う颯太に、ぷっと笑ってしまった
「なんで笑うんだよ!」
『先生と生徒の恋なんて、可笑しいでしょ』
「まあ、そうだけど」
んー、なんて頭を抱える彼にまた口を開く
『先生だったら諦めつくかもしれないけど、私が好きになったのは、私の"大切な人の大切な人"
なんだよね』
大切な人――…
世界でたった一人のお姉ちゃんの
大切な人
「…」
『だから、諦めなくちゃいけないんだ
でも彼は私の事好きでもないのに、
なんとも思ってないのに
――少し期待しちゃってた自分がいたんだ』
涙が、溢れ出してくる