二番目の女。
パアアと明るくなる颯太の顔を見て、溢れ出してた涙は止まった
ん、なんて言いながら近づいてきた手に目をつぶると
目頭に止まる涙を優しくふいてくれた
『本当に、私でいいの?』
――この先、利用するかもしれないのに
「うん、俺の事、最初は好きじゃなくてもいいから
こんなに胡桃の事好きな俺に同情して付き合ってやったって感じでいいから
それで絶対、
――胡桃の気持ちを俺だけのものにするから」
『――ッ』
こんなに、私の事を想ってくれる人なんて、いるのだろうか
ゆっくり、忘れられればいいのかな
「キス、していい?」
控え目に聞く颯太が可愛くて
『いいよ』
笑顔で頷いた
――ちゅ、と触れるだけのキスをして離れた
その口は何処か物足りなくて
でも、可笑しくなって
二人で笑った
『(幸せになれるかな…)』
なんて思ったけど
―――この事が
辛いほどに、
後悔する事を、私はまだ知らない