二番目の女。




自分の家のはずなのに忍び足で向かう私はどう考えてもおかしいかもしれない



だけど、もし――…



彩海と修平さんが体を重ねていたとしたら


私はきっとどうかなってしまいそうで




――新着メール1件


颯太かな



あとで返せばいいや、なんて思い電源を切った






―ガチャ

ゆっくりドアを開ける




『…、』


玄関にある見慣れた大きな靴



やはり彼は、ここにいた




忍び足で靴を脱ぐ




「あ!胡桃!おっかえりぃ~!」

背後から声がして、脱ぐ手が、止まった




『…ただいま』



「胡桃"ちゃん"、お帰り」



『――ただいま、です』



修平さんは、残酷だ




靴を脱いで修平さんを見る



『――ッ』



口元にアザができていた





「あ、胡桃聞いてよ!武っち…、あ、修平に友達がね!」


『…』


武…?





「なんか酔った勢いかなんかで修平の事殴っちゃったらしいの!もう本当やだぁ」



『…え』




彩海は修平さんの腕に自分の腕をからめて悲しそうな顔をする



そんな彩海を困ったような顔で見つめる修平さん





どうして、どうして殴ったのだろうか







「その人も修平に謝ったからいいけどね!でも殴っちゃうなんてびっくりしたぁ」


「もういいよ、武と俺はこんなんじゃなんもなんないから」



『ッ』

な?なんていいながら彩海の頭を優しく撫でる修平さんのその行動は、"愛"だ
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