二番目の女。



「何?武とヤったあと俺ともヤってまだ他にヤったの?」



『武と、ヤってないです』




私の言葉を信じない様子で、ふーんなんて返す修平さんに嫌気がさした



「まあいいんだけどさ、てかこれお前のせいなんだけど」


『…え、』




修平さんは自分の手で口触れた



――口元の、アザ




『どうして』


どうして、どうして?




「お前とヤったあと、武が外で待ってた


あんなに怒ってたの始めて見た」



『――ッ』





「それでそのまま胡桃とヤったって言ったら」


『…』


「殴られた」




なんで…?



「そのあとすぐ俺は車に乗ってココに来たから武は知らねえけどさ、もしかしてなぐさめてもらったの?」



『いや…』


外に出たとき、誰もいなかった





「ふーん…お前の言葉なんで信じられっかよ」


『はい』




チクリ、彼の視線が冷たくて心が痛む




彩海がいないのに、抱き着くのは今なのに




今なら戻れるかな、なんて思ってしまう私は大馬鹿者かもしれない




でも―――


電源の切れた携帯の視線を移す





私には、私を幸せにしてくれようとしている


彼氏がいる
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