二番目の女。



「――以上をもちまして、第37回卒業式を終了致します」




やっと終わった



重い腰をあげて、早々と歩き出した










「――お疲れ、胡桃」


門の外にはニッと八重歯を見せて笑う颯太がいた



『ありがとう、颯太』



「人やっぱ多いな!てゆうか1週間ぶりだから会えて嬉しい。仕事休みで良かったよ」

ぎゅっと手を握る颯太に小さく微笑んだ





…言わなくちゃ



そう思ってるだけど颯太の笑顔を見ると何も言えなくなる








いつもみたいにショッピングセンターをプラプラと回って、プリクラを撮って…






幸せそうなカップルような事をするけど、もう私の心は冷めていた




「何コレ、めっちゃ楽しい」



大笑いしながら銃を使ってゾンビを倒す颯太を見ている私はもう、笑えない




『…颯太』



「ん?」


チラリ、とこちらを見たもののまた銃を画面に向けている颯太に口を開いた
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