スレイブプリンセス
いつの間にか涙が零れていた。
「私…いつの間にこんな弱虫になったんだろう…。泣いてばっか…だね…。」
涙をゴシゴシと拭き取りながら、そう一人で呟いてるとき、私が今いる部屋のドアがノックされた。
その音にビクッとした。
彼……ラスフォールではないかと思っていたから。
私は黙ってドアを見つめていると、外から声が聞こえた。
「サン様入ってもよろしいでしょうか?」
聞こえた声は聞き覚えのある声だった。
さっきまで黙っていたが、この人の声だとわかると私は返事をした。
「はい。どうぞ、お入りください。」
ドアが開くと、外から入ってきたのはやっぱりあの兵士さんだった。
彼はドアを閉め、私が座っているソファに近づいてくる。
「大丈夫、サン?」
私は頷く。
本当は大丈夫じゃないと言いたい。
けれど、これ以上迷惑はかけたくない。
「大丈夫。」
一言そう、呟き微笑む。
「うん。少しでも辛くなったらすぐ俺に言って。」
「うん、ありがとう。」
なぜ、ここまで私に優しくしてくれるのだろうか?
これは彼の優しさ?
そうね…。彼なら誰にも優しそうだわ。