スレイブプリンセス

三人のおかげで早く洗濯物を干すことができた。

「よし!終わりだね!」

「うん!サンお姉ちゃんありがとう!」

リズムの元気な声のあとに二人も私にお礼を言った。

「いいえ、どういたしまして。リズムもマリンもマリルナもありがとう!」

そう私が言うと、三人は頬を赤くした。

そのとき、ギュルギュルとなにかがなる音がした。

それと同時にマリルナがもっと顔を赤くした。

「…!!…あっ…ごめん…なさい」

マリルナがいきなり謝ったことで、私は察した。

あれはお腹の音だったと。

私はいつここに来たかわからないので、ご飯は口にしていない。

「みんなはご飯食べてないの?」

すると、その私の問いにマリンが答えてくれた。

「私たちは奴隷だから、ご飯は夜だけなの。だけど、それでも夜に出る奴隷への食糧は少ないの…」

「そう…なの…。」

あまり喋らないマリルナが涙を流した。

「…はやく…ここから…でたいよぅ…。
お母さんに会いたいよぅ……うぅ…」

そんなマリルナをマリンとリズムが慰める。

幼い子供にこんな思いをさせているなんて…。

ここは地獄だわ…。

私は三人に近づきしゃがみ、三人を腕の中に入れた。

「…私がみんなをここから脱出させるわ…。」

リズムが私の言葉に驚いた。

「そんな事できるわけないよっ…。」

私は首を横に振る。

「できるわ…。時間はかかるかもしれない。だけど、信じていればきっと叶うわ。ね、だから三人も諦めないで、ここから出ることを。」

涙を拭いて、マリルナが顔をあげる。

「サンお姉ちゃん…。」



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