スレイブプリンセス
少女はりんごの持った手をひっこめるが、エデンが少女の手を掴み、りんごを受け取る。

そして、りんごにガブリと食らいつくエデン。

「このくらい、素手でも食べられる。俺の名前はエデン・ノスフェラス・ラーヴァナ。呼び捨てで構わない」

「うん!私の名前はイヴだよ!」

「お前、姫なのに、姓はないのか?」

「あ、あるよ!えっと…そう!イヴ・ロードナイトだよ!」

イヴはあわてて、自分の名を言う。

「ロードナイト王国の姫か。お前は自分の姓覚えてないのか?」

「へ?」

「だから、なぜ、自分の姓忘れてるんだ?」

「あぁ!そういうことね!……そ、それは私がロードナイト王国のも「姫様!それ以上は言ってはなりません!」」

イヴのことを探しに来た男の人が口をはさむ。

「すいません、エデン王子、たとえ、身分が高いあなた様でもこのことは他言できません。」

男の人はエデンに向かって頭をさげる。

「いや、いい。聞いた俺が悪かった。イヴごめんな。」

イヴは首を横に振る。

「ううん、ごめんね!言えなくて!
あ、私を迎えに来たこの人はパトリックさんっていうの!すごい頭いいんだよ!」

「エデン王子、紹介遅れて申し訳ございません。パトリック・メイジと申します。それはそうと、姫様、エデン王子、城でみんなが待っています。さぁ、行きましょう。」

「え?俺もか?」

パトリックは頷く。

「はい、左様でございます。」

「さっ、行こ、エデン!」

イヴはエデンに手を差し出す。

その手をエデンが握る。

「ああ。行こう。」

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