スレイブプリンセス
ゼンは首を横に振った。
「いや、いいんだ。それより、本当にいいんだな?」
「はい…。私は今は奴隷です。髪の毛が邪魔なので、今はこの長さが丁度いいのです。それに、もう後戻りできませんから。」
ゼンは頷き、サンが持っていた髪の毛の束を受け取った。
「わかった。…それとお前の足元に髪飾りが落ちてるぞ。」
私は自分の足元を見ると確かに花形で赤い色で綺麗に輝く髪飾りが落ちていた。
腰を下ろし、それを手にした。
「これは私の?」
自分の物なのか疑問に思っていると、ゼンが口を開いた。
「それはお前のだ。ここに来たときもそれ、髪の毛につけてたじゃねぇーか。」
「そうなんですか?」
「お前知らなかったのか?」
「はい。私は今日奴隷としてここに来ましたから、それに記憶がないんです…。」