スレイブプリンセス

「バイオ、メルをこの場から移動させましょう。これ以上いたらメルの心が壊れてしまいます。」

横から聞こえてきた声に振り向くと、そこにはバイオと同族で狼の耳を持ち、小豆色の髪の毛の少年アセナがいた。

「アセナ……。…そうする…。」

そして、バイオはメルを支えて、城の方へ戻って行った。

その二人を見ていたアセナにエデンが声をかける。

「おい、アセナ。何があった…。」

アセナはエデンの前で跪く。

「はっ。エデン様。イヴ様はおそらくあそこの窓から落ちたのではないかと思われます。」

アセナが指を指したのは花畑の丁度上にある城の高い窓。

「あそこから…。犯人はわかったのか?」

「申し訳ございません。まだ見つかっていません。しかし、メルの話を聞くと、イヴ様はエデン様のところへ行こうとしていたらしいのです。」

「イヴが俺のところに…?」

気を失う前を思い出そうとするといくつかの映像が流れてきた。



< 62 / 134 >

この作品をシェア

pagetop