スレイブプリンセス

扉が開く。

外から現れたのは随分と痩せたメルだった。

「エデン様。あなた様に渡したい物があるのです。」

メルはエデンに近寄り、エデンに一つのラッピングされた箱を手渡す。

「これは?」

「これはイヴ様が喧嘩していたエデン様へと仲直りしたら渡そうとしていたものらしいのです。」

「俺にイヴが?」

「はい…。少し早いですが誕生日プレゼントと仰っていました。」

だからイヴが執務室に来たのか…。

イヴ……。

エデンはその箱を受け取る。

「すいません。手渡すのが遅くなってしまって…。」

メルは頭を下げた。

「いや…。大丈夫だ。ありがとうメル。」

箱を見つけたのはメルだった。しかしすぐに渡そうと思っていたが、なかなか立ち直れず、部屋から出られないでいた。

メルはこの立ち直るのに二週間かかったのだ。

そのせいで箱を手渡すのが遅くなってしまっていた。

「はい。では私はこれで。」

ドアの前で一礼するとメルは部屋から出て行った。






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