スレイブプリンセス


「……エデン、ごめんなさい。私の手では何もできません。」

「……。」

アルティナはエデンの方を向いた。

「エデン、イヴさんを愛していますか?」

それを聞いてエデンの顔は少し赤くなる。

「……愛してます。この世界の誰よりも…。」

それを聞いてアルティナは安堵したように微笑む。

「そう、よかったわ。イヴさんも今あなたを待っているはずだわ…。」

「え…?」

「今私が言えるのはここまでね。」

「母上?なにを…」

「それともう一つ…。イヴさんにお別れのキスの一つはしてあげなさい。」

アルティナの考えが読めないエデン。

「それじゃあ、エデン、私は天界へ戻ります。」

そう言い、アルティナは部屋から出て行った。

「母上は何を言っているんだ?」

今だにアルティナの言ったことがわからないエデンは一人部屋に取り残された。


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