スレイブプリンセス
「…そうか、母上が言っていたのはそう言うことだったのか…。」
エデンはその場で立ち上がる。
「アセナ!」
エデンは自分に忠実で信頼できる従者の名を呼ぶ。
「はっ!」
すると、アセナがエデンの前に瞬間移動で現れた。
「こんなこと偽物でもしたくないが悪く思うな」
自分の腰にある剣を鞘から引き抜く。
「エデン様、なにをなさるのですか?」
「黙って見ていろ」
そして、剣をイヴの丁度心臓のあたりの上と移動させる。
「エデン様?!お辞め下さい!」
アセナが止めようとしにくるが、エデンがイヴの心臓に突き刺すほうが早かった。
それを見たアセナは膝から崩れ落ちる。
「エデン様、何を……」
「アセナ黙って見ていろと言っただろ?」
すると、刺されたイヴが輝きだし、光の粒となって消えた。
吸血鬼が光の粒となって消えた話は聞いたこともなく、アセナは混乱する。
「エデン様、これは?」
「あのイヴは偽物だ。俺も偽物に騙されるとはまだまだだな…。」
「偽物?ということは…」
エデンは頷く。
「ああ、イヴはまだどこかで生きている。」
「え、でもエデン様?エレーヌはイヴ様を殺したと言ってましたよね?」
「落とした前までは本物のイヴだったのだろう。でも落ちた瞬間に偽物と本物のイヴが入れ替えられたのだろうと俺は思ってる。」
「なるほど…。わかりました!今すぐにイヴ様の手配を掴みに行ってまいります!」
「ああ、よろしく頼むぞアセナ。」
「はっ!御意!」
そう言うとアセナはまた瞬間移動をして、エデンの前から消えた。
「俺もお前を迎えに行くからなイヴ…。」