スレイブプリンセス
***
兵士に手を引かれて連れてかれた場所は一つの部屋だった。
牢屋とは比べものにもならない豪華な部屋には誰もいなかった。
「あの…私なぜここに…?」
「黙ってろ。もうすぐ主がくる。」
主…?このお屋敷の主様だよね?
なぜ、私がその人と会うの…?
疑問がたくさん浮かび、混乱する。
そのとき、ドアがガチャリと開く。
そして、開かれたドアからは私と年齢変わらないくらいの男性が立っていた。
兵士はその人に跪く。
「ラスフォール様、例の女をお連れしました。」
例の女?それって私のこと?
「こいつが珍しい髪の女か。でも髪は長かったはずだぞ?」
「申し訳ありません。私にもわかりません。」
「おい、女。長かった髪はどうした?」
声を発していいのか迷う。
「……髪は切りました…。働くには邪魔なので…。」
ラスフォールと呼ばれた男は目を見開く。
そして、笑った。
「お前、奴隷にしては珍しいな。よし、決めたこいつにしよう。おい、メイド!」
すると、外からメイドが入ってきた。
「こいつを綺麗にして、ドレスを着せろ。それから髪の毛も整えとけ。それが終わったら俺の部屋へ連れてこい。」
「はい、かしこまりました。」
頭を下げながらメイドはそう言う。