スレイブプリンセス
そして、またメイドに連れてかれて一つの部屋に入る。
そこにはソファーにくつろいでいるラスフォールがいた。
ラスフォールは目を見開く。
「おお、綺麗ではないか。お前たちはもう下がれ。」
そう言うと、メイドは部屋から出て行く。
そして、部屋にはラスフォールと私の二人だけになってしまった。
ラスフォールは私に近づき、私の頬を触った。
気持ち悪い…。許されるのならば今すぐにこの手を払って触らないで、と言いたい。
だけど、それを言うことが出来なかった。
拒めば、きっとサイエたちが危険にさらされるから。
「さすが私の花嫁だ。」
ラスフォールから出た言葉に目を見開く。
「花…嫁?」
「ああ、言ってなかったな。お前は今日から俺の花嫁になるんだ。」
「な…ぜ?私奴隷ですよ?」
ラスフォールの言葉に動揺する。
「ああ、それは知ってる。俺が奪ったんだからな。」
「奪った?」
買ったではなくて?
どういうこと?
「お前はもともと、奴隷売り場にはいなかったんだよ。」
「なら、なぜ、私は奴隷になったの?」
「お前は大切そうに馬車に入れられて運ばれてたんだ。どこに行こうとしたのかは知らないけどな。それを見た俺はお前を誘拐したんだ。」
「なぜ?」
「お前が珍しい髪色を持っているから。俺はな珍しいものが大好きなんだよ。ここにいる奴隷は全部珍しいものを持っているやつらが奴隷になってるんだ。その中で俺はお前が気にいった。だからお前を花嫁にするんだ。」
「拒めば?」
「そういえば、お前奴隷の子供達と仲が良かったよな。もし拒めばそいつらが危険な目にあう。」
嫌な予感が的中する。
「…わかりました。あなたの妻になります。だけど、私からも条件があります。」
こんな結婚。本当は嫌…。
だけど、サイエたちの命がかけられてるなら従うしかない。
「なんだ、いいだろう。望みを叶えてやろう。」
「サイエたちを…この屋敷にいる奴隷のみなさんを解放して下さい!」
「なぜだ?あいつらは俺のコレクションだ」
「この条件が飲めないのなら私はあなたの妻にはなれません。」
「む、わかった。あいつらを逃がしてやろう。だけど、お前は逃げるな。」
「ありがとうございます!私逃げませんよ。帰る場所などありませんから…。」
案外、簡単にラスフォールが条件を飲んでくれて良かった。
そして、私はみんなにここから出すという約束も私が奴隷になって数週間で叶えられた。