スレイブプリンセス

そして、その中にはサイエたちや子供達もいた。

私は隠れて来たことも忘れてサイエたちのもとに走ろうとしたが、そこを兵士たちに見つかってしまった。

「お前!ラスフォール様の!なぜここにいる?!」

「あ……。」

そこで自分が隠れて来たことを思い出す。

言い訳もできず、言葉が出なかった。

「とりあえず、お前をラスフォール様のもとへ返す。」

「あ、ちょっと待って…!サイエたちに会わしてっ!」

兵士が私を連れていこうとしたが、私はそれを抵抗した。

その騒ぎに気づいたのか、ラスフォールがこちらにやって来た。

「なんだ、こんなに騒いで…。」

「ラ、ラスフォール様っ!」

兵士が私の腕を離して、跪く。

「なぜ、お前がここにいる。」

きっと私のことだろう。

「あの…彼女たちは解放されるんですか?」

私が彼の問いに答えなかったせいなのか、ラスフォールへ溜息を吐く。

「ああ、解放する。お前が出した条件だろ?」

私は目を見開く。
本当はラスフォールが私の言った条件をクリアしてくれるとは思っていなかったから。

そして、ラスフォールに腕を掴まれた。

「さぁ、もう用は済んだだろ?部屋に戻るぞ。」

連れていかれると思った私はまた抵抗する。

「ちょっと待って…下さい!」

ラスフォールがこちらを振り返る。



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