スレイブプリンセス
彼は頷いた。
「ああ。そうだよ。それに探し続けたんだから…。」
次々と彼の口から出る言葉によくわからなくなる。
彼が先程言ったように時が経てば、わかるようになるのだろうか…。
そんな考え込む私を見て、彼は苦笑した。
「ごめんね。よくわからないよね。」
「はい…すいません…。」
「いや、いいんだ。次の質問だね。」
私へ頷いた。
「はい、お願いします。」
「俺は君の事を知ってるよ。」
それを聞いた私は目を見開いた。
「それじゃあ、私兵士さんのこと忘れてしまったんですね……。すいません、私駄目ですね。早く記憶を取り戻さなきゃ…。」
「そんなに無理はしないで。それに君が俺を忘れているのはしょうがないことなんだ。君と俺が会ったのは随分昔の事だからね。」
昔でも彼は私の事を覚えていた。
だから、思い出せない記憶に苛立ちを感じる。