危険なキス
「ヤバイッ…超カッコイイっ……」
席の近くにいる女子が、湯浅先生を見て目をハートにさせている。
その子だけじゃない。
クラスのほとんどの女子が、先生を見てうっとりしている。
あたしはもう、急すぎる先生の現れに頭がパニックになって、ただただじっと先生の顔を見ていた。
その途端、先生がこっちを見る。
「……っ」
あたしと目が合うと、
ほんの一瞬だけ笑った。
あの意地悪な笑顔で……。
そう…。
きっと先生は分かっていたんだ。
自分が、あたしの通うこの高校に赴任することを……。