危険なキス
「よし!じゃあ、あとはこれをしまえば……」
ようやくまとめ終わったところで、あたしはそれらを両手で持った。
これを、準備室のほうへしまえば、片付けも終了となる。
バランスを保ちながら、準備室の扉へと向かうと、後ろから再び楠木の呼びかけた聞こえた。
「なあ!」
「え?」
その声が割と大きくて、あたしは思わず足を止め、後ろへ振り返った。
そこには、いつもより真面目な顔をした楠木が。
「もし、さ……
もし俺が………
お前のことが好きだった、って言ったらどうする?」
「………え…?」
それは、あまりにも予想外の言葉だった。