危険なキス
 
「それじゃあ、そこに置いておいてください」
「は、はい」


先生に言われて、あたしたちはすぐに機材を置いた。

あたしは、泣きそうになっていた顔を先生に見られたことが恥ずかしくて、すぐにその場から立ち去りたかった。


ドア側にいた楠木は、必然的に先に出る形となり、あたしが後になる。
その時、先生はあたしにだけ聞こえる声で



「ひでー顔」



とだけ言い放った。
 
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