危険なキス
 
「やっと起きたわね」
「うん……」
「あら、顔色少し良くないけど……熱でもある?」
「たぶん…。でも微熱程度だから大丈夫」


あたしは、お母さんには必要以上に心配をかけたくなくて、なるべく平気なふりを装った。


病は気から。
熱はあえて計らないほうがいい。


あたしは、無理やり朝ごはんを口の中に詰め、なんとかいつもと同じ時間に家を出た。
 
< 158 / 382 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop