危険なキス
倒れそうな体を必死に抑え、電車はなんとかやり過ごし、学校の最寄駅で降りた。
そして駅から学校までを、いつもより少しゆっくりのペースで歩いていると、周りの女子の声が聞こえてきた。
「ねっ、もしかして今日、神田先生と湯浅先生のコンビじゃない!?」
「嘘!?やばい!化粧してこなかった!!」
「湯浅」という名前を聞いて、体中に電気が走った。
おそるおそる顔をあげると、向こうに見える門のところには、湯浅先生と、あと2年生の担任をしている神田先生が立っている。
うちの高校は、こうやって朝は門のところに先生が立っていて、挨拶や制服の服装チェックを行っているのだ。