危険なキス
 
「せ、せんせいっ……」

「保健室に連れて行く」

「ちょっ、大丈夫ですっ……」

「黙ってろ」


いつもの丁寧な口ぶりではない、命令口調の湯浅先生に、思わずほかの生徒も絶句して、誰も何も言わない。

あたしもそれ以上は何も言えなくなってしまった。


廊下に出ても、大注目を浴びる視線。
あたしは恥ずかしくて、思わず先生の胸に顔をうずめた。

そんな先生からは、少しだけ安心する匂いを感じた。
 
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