危険なキス
「ほら、早く着ろ。余計風邪ひくぞ」
「なっ…!それは先生がっ……」
「センセイが?」
「……っなんでもないです!」
そこにいるのは、もういつもの意地悪な先生で、あたしは言葉を飲み込むと、さっさと下のスウェットも履いた。
ブラを隠すように、服をたたみ、ベッドの脇へ置く。
そして布団の中へもぐりこんだ。
「ちょっと待ってろ」
一言そう言うと、先生は部屋を出て行き、キッチンから水の音がした。
そしてすぐに上がってきて、部屋に入る先生の手には、濡れたタオルがあった。
「おでこ。ひやしとけ」
「あ……」
ひんやりと冷たいタオルが、おでこの上に乗せられた。
それは火照った顔にはとても気持ちがよく、すーっと熱がひいていくような気がした。
「昼飯、何か買っとくか?」
「あ、いえ…。冷蔵庫の中に、ゼリーとか入ってるから大丈夫です。お母さんもお昼過ぎには帰ってくると思うし」
「そか」
あたしの返事を聞くと、先生は帰るのか、立ち上がった。