危険なキス
10章 変わっていく感情
「おかえり。湯浅センセ」
「……雅人か」
紫乃を家まで送り届け、学校へすぐ戻ると、駐車場で出迎えたのは雅人だった。
雅人はなぜか、ニヤニヤしながら自分の車にもたれかかっていた。
「なんだよ。言いたいことがあるなら言えって」
「んー、お姫様、どうなった?」
「あ?」
意味深な言葉で聞いてくる雅人に、首をかしげて問い返す。
雅人は、もたれかかっていた体を起こすと、面白そうに口を開いた。