危険なキス
顔をあげると、そこには湯浅先生のドアップ。
あ……
「…っ」
気付くと、先生の唇があたしの唇に押し当てられていた。
「……お前…」
答案用紙を挟んで。
自分がキスをしたのが、あたしの唇ではなく、紙切れだったことにピキッときた湯浅先生は、あたしを睨んだ。
「なんだこれは?」
「答案用紙」
「お前なあ……」
「先生の考えることなんて、お見通しです」
あたしはジロっと先生の顔を睨んだ。
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