危険なキス
 
顔をあげると、そこには湯浅先生のドアップ。


あ……


「…っ」


気付くと、先生の唇があたしの唇に押し当てられていた。



「……お前…」



答案用紙を挟んで。


自分がキスをしたのが、あたしの唇ではなく、紙切れだったことにピキッときた湯浅先生は、あたしを睨んだ。


「なんだこれは?」
「答案用紙」
「お前なあ……」


「先生の考えることなんて、お見通しです」


あたしはジロっと先生の顔を睨んだ。

 
< 22 / 382 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop