危険なキス
 
「えっ……?」


思いがけないあたしからの言葉を聞いて、目を大きく見開いて振り向く楠木。

あたしはそんな楠木に、言葉を続けた。


「あたしも……本当はずっと、楠木のことが好きだった」

「は……え?……でも……お前、麻衣子……」


楠木は、そうとうテンパっているのか、言葉がいろいろ突っかかっている。

そんな楠木が面白くて、あたしは笑いながら説明した。


「麻衣子はあたしの親友だから……。
 だから思わず協力したの。

 だけど……本当はずっと辛かった。
 二人がうまくいくのも、仲良く一緒に帰るところを見るのも……」

 
< 234 / 382 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop