危険なキス
 
「あたし、男の人を喜ばすの、結構自信あるんだよ」
「どんなふうに?」
「えー」


にこにこと笑って、ひたすら愛想をふりまく女の人。

あたしには絶対出来ない芸当だ。


次の瞬間、湯浅先生は女の人の腰を引き寄せる。

そしてそのまま口づけた。


「!!」


あたしの目の前で、繰り広げる光景。


あの日と同じ。
まったく同じ光景。


なのに……


「……っ」


どうしてこんなにも、胸が痛いんだろう……。
 
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