危険なキス
ズキンズキン……
張り裂けそうなほど胸が痛い。
苦しくて切なくて悲しくて……
その人が、先生の彼女だったらまだよかった。
だけど明らかに、今日会ったばかりのような遊び相手にするような人。
そして……
きっとあたしも彼女と同じような存在だ。
先生が唇を離す。
そして顔をあげた瞬間……
「……」
あたしと目が合った。
不覚にも、目が合った瞬間に涙が零れ落ちてしまい……
「……っ」
あたしはたまらず、その場から逃げだした。