危険なキス
土日は勉強漬けで過ごした。
その間、もちろん楠木とは電話もメールもしたけど
金曜日のキスを避けたことがちょっとだけ気まずさもあり、遊びに行こうってことにはならなかった。
そして月曜日。
いつもの朝がやってくる。
「せんせー!おはよー!」
「おはようございます」
朝のホームルームの時間になると、いつものように仮面をかぶった楠木先生が教室に入ってきた。
女子生徒の黄色い挨拶から始まるこの時間も、もういい加減慣れた。
みんなは先生の本性を知ったら、どうするんだろうか。
引く生徒もいれば、余計にハマる生徒もいるだろう。
仮面をとり、悪い男オーラを放った先生だって、悔しいけどカッコイイから。
あたしは先生の顔を見るのが辛くて、ホームルームの間、ずっと顔を伏せていた。