危険なキス
 
てっきり職員室に向かうものかと思えば、向かった場所は物理室。

一瞬、中に入るのにためらってしまった。


「せん…せい?」
「はい?ああ、僕の私物、職員室よりもこっちに置いておくことが多くて……。そんなに警戒しないでください」


そう言った先生の顔が、少しだけあの意地悪な顔に見えた。

敬語だけど、どこか意味深な……。

でもそう思ったのは一瞬で、あたしはつられて中に入った。


「えっと……これですね」


そう言って、先生があたしに一枚の紙を渡す。
あたしはそれを受け取って、そのまま目を通した。


「!!」


だけどそれに目を通した瞬間、思わず顔をあげた。

そしてそこに映ったのは


「で?どうして?」


仮面をとった、湯浅先生だった。
  
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