危険なキス
2章 彼の本性
 
「はぁ……」


学校の授業が終わり、あたしは机に突っ伏した。
その途端、頭の上から声が聞こえる。


「しーの?どうしたの?」
「麻衣子……」


そこにやってきたのは、心配そうに顔を覗き込む麻衣子だった。


「昨日、家庭教師だっただけ」
「あ、あー……」


家庭教師、というワードを聞いて、麻衣子も苦笑した。

麻衣子も知っている。
あいつが一体、どんな男かということを……。


「おばさんに言って、変えてもらえばいいのに」
「でもなんだかんだ言って、あいつ教え方うまいから…。だから余計に悔しいんだけど」
「そっか」


麻衣子も、お手上げ状態といったようだった。
 
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