危険なキス
 
「失礼します」


ノックをして中に入ると、そこにはすでに湯浅先生がいた。

それと、校長先生、教頭先生、生活指導の先生。

先生たちは、あたしが入ってくることを確認すると、湯浅先生の隣に並ばせた。


「すでに耳に入っていると思いますが……」


校長先生が口を開く。


「校内の掲示板に、あなたたち二人が、一緒のマンションに入る姿の写真が貼られていたと聞きました。
 なんでもそのマンションは、湯浅先生のマンションだと。
 これは事実ですか?」


単刀直入の質問。

どうやら先生たちは、この写真を見てはいないようだ。

ということは、ごまかせるかもしれない。
あたしは勇気を出して、口を開いた。


「ちがっ……」
「事実です」


だけど、湯浅先生は、ごまかすこともなく、ストレートにそう答えた。
 
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