危険なキス
 
(お前、俺のことが好きなんだろ?)


かなり強引に聞いた質問。

むしろ、好きじゃなくても、好きと言わせるつもりだった。


(すき……先生が好き……っ)


涙を流しながらそう言ってくれる紫乃が、すげぇ愛おしいと思った。


このまま抱きしめて、キスして、めちゃくちゃにしたくなった。

俺のモノだって印をつけて
他の男には指一本だって触れさせたくない。

なのに、あいつと別れてないから無理だとか言って
仕方がないから自分を抑えて、待ってやって……。


土曜日、俺の家に来るってなったから、もう覚悟が決まってるものだと思った。


だけど……



(あ、たし……先生の気持ち……聞きたい……)



それを言われた瞬間、
ドーンと逃げていた現実を突き付けられた気分になった。
 
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