危険なキス
 
一度だけ許された彼女との面会。

彼女は奏人の顔を見ると、笑顔を向けた。


(恥ずかしいこと……しちゃったね。
 ごめんね、迷惑かけて……)


決して自分を責めない彼女。

それどころか、彼女は奏人にすがった。


(もうこんなバカなことしないからっ……
 だからお願いっ。別れるとか言わないでっ……)


彼女は、奏人を好きで好きで仕方がなかった。

好きさゆえに、どんなにいじめを受けても別れられず、自分をどんどん追いつめていた。


これ以上自分が傍にいたら、もっと彼女を追いつめる。
嫌がらせはやまない。


彼女を守るためには………



(別れようっ……)



突き放すしかなかった。
 

そして彼女は、1か月後に転校をした。

 
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