危険なキス
「先生の過去……神田先生に聞いたんです」
「ああ……。みたいだな」
先生も、そのことは神田先生から聞いたらしい。
とくに驚くことはしなかった。
「それで……どうしても言いたいことがあって……」
「うん」
ギシッとベッドが沈んだ。
先生が、ベッドの脇に腰をかけたようだ。
ドキッとしつつも、あたしは言葉を続けた。
「あたしを……その彼女と一緒にしないでください……。
あたしはそんなに弱くなんかないっ……」
そんなことを言いながら、涙が溢れ出てくる。
説得力ナシ。
まさにその言葉が当てはまった。
だけどどうしても、一緒にはされたくなかった。
「いじめとか嫌がらせとか……そういうの、気にするタチじゃないし……
何かされても、やり返すくらいの力はありますっ」
「……うん…」
先生はあたしの頭を撫でた。
そのぬくもりが嬉しくて、余計に涙が溢れ出てくる。